kenzee「ポピュラーミュージックの作曲には幾つかのルールがある(実験的な作品を除いて)。今あるポピュラーミュージックは例外なく黒人音楽の影響を受けているわけだが、その代表的なものがビート(反復)感覚である。現代のポピュラーはメロディ自体がそもそもビートの一部を担うのだ。わかりやすい例でみんな知ってる山下達郎の「クリスマス・イブ」で考えてみよう。

 雨は夜更けすぎに 雪へと変わるだろう Silent Night Holy Night

この「雨は~」と「雪へ~」は同じビートであるとわかるだろう。また、メロディの抑揚も最初の「雨は~」を踏襲するものであり、ここに反復があるとわかる。そのあとの「Silent Night Holy Night」はそのままの反復だ。そして「きっと君はこない~」と再び反復される。つまり、このAメロは小反復と、さらにそのまとまりの大反復がある。一見、ボソーっとした歌だが、実はビートのカタマリのような曲だ。続くBメロだが

 心ふかく 秘めた思い 叶えられそうもない

ここも典型的なJ-POPの作法に基づいているので注意したい。例によって「心ふかく 秘めた思い」は反復の関係にある。そして「叶えられそうもない」で展開が起こる。この、2回繰り返して3回目で「もうエエわ!」と展開するのがJ-POPの定番中の定番ワザなのだ。ちょっと思い起こすだけでポコポコでてくるはずだ。

 Your Everything Your Everything あなたが想うより強く(MISIA「Everything」)

司会者「ホントだ!2回繰り返して3回目で展開しますね!」

 どんなときも どんなときも 僕が僕らしくあるために(槇原敬之「どんなときも。」)

司会者「ワー!」

 誰もが胸の奥に 秘めた迷いのなかで Woo手にしたぬくもりを

 それぞれに抱きしめて 新たなる道をゆく Oh,Yes Oh,Yes Woo          (Mr.Children「CROSSROAD」)

kenzee「おわかりいただけたか。2回繰り返したあと、3回目で「エエカゲンにしなサイ!」とツッコムのだ。我々大衆はナゼかこのビート感を気持ちいいと感じてしまうのだ」

司会者「2回ボケて3回目でツッコムというベタなノリツッコミは音楽的な感覚に基づくものだったのですね」

 何をゴールに決めて 何を犠牲にしたの 誰も知らず

 歓声よりも長く 興奮よりも速く 走ろうとしていた あなたを

 少しでもわかりたいから(松任谷由実「NO SIDE」)

kenzee「ヒットだしたかったらコレ! 各メーカーのA&Rの方は耳カッポじってよく聞いとくように。「売れるメロディとは2回ボケて3回目でツッコム。コレ!」

司会者「セーラー服を 脱がさないで 今はダメよこんなところじゃ~。ホントだな~。こんなトコでも3回目でツッコンどる」